Scrum Fest Sapporo 2020 参加レポート #1 : みんなで創る基調講演
Scrum Fest Sapporo 2020に参加してきました(参加してきましたというより実行委員でした)。
実行委員からの視点は一旦置いておいて、まずは参加者として講演やセッションを受けた感想などを書いてみたいと思います。
今回はebackyの基調講演について書きます。
みんなで創る基調講演 江端一将さん(@ebacky)
江端さんというよりebackyのほうがしっくりきますね。
90分ノンストップで話し続けたくれたebackyですが、全部を書くことはできないので特に印象に残ったことと自分が感じたことを以下にまとめます。
- 「成果=方法論+能力」が基本原則
- プロジェクトがうまくいかない時に方法論ばかり変えがち。Scrumの導入ばかり頑張る企業が多いのもそう
- 方法を変えること以外に何がまずかったかを論理的に検証しているか?
- 成果をあげるには、方法論と能力の両方を学術的な根拠に基づいた仮説検証が必要
- 感覚で仮説検証してても成果はあがらない。上がったとしてもそれは何かを変えたことによって一時的に上がっているように見えるだけ(でも勘違いしている人多い)。
- 組閣と人選
- プロダクトのROIに責任を持つというのはそんなに簡単なことではない。なのに感覚を頼りにPOを決め、そのPOは感覚で優先順位決めている。
- 組閣や人選から論理的に考える。つまり、POを選ぶところから論理的である必要がある*1)。
- POを選ぶには「その人がPOでなければならない理由」がきちんとあって選ばれるべき。
- 未来予測能力を高める
- 実行能力と未来予測能力は違うもの
- 未来予測した結果と実行結果が同じだったとき未来予測能力が高いと判断しがち。でもそれってやっぱり「感覚」でしかない。
- 基準を決め客観的評価を行う、それが未来予測能力を論理的に高めること
- 変化に強いチームとは
- 論理的に考えられるチーム
感想
率直に言って最高の基調講演でした。
見ず知らずの人を本気でこんなに叱ってくれる(いや、叱ってない)人いますかね?私そこにebacky愛をビシビシ感じました。
この話を聞けて良かったと本気で思うし、POやSMという役割に対してこれまで以上に真摯に向き合う必要があると思いました。
CSMとってちょっと調子に乗ってた自分をやさしく殴りたいです(パチン)。
基調講演では「論理的に」という言葉を連呼していたebackyですが、決して「感覚」を否定しているわけではありません。
「チームという複合的な形で何かに挑もうとした時に、感覚を頼りにしたやり方はあまりにも効率が悪くて失敗しやすい上に何も測れないので、成果を求めるなら論理的に学術的根拠によって仮説検証していくことをするべき。それなのにそこをやらずに「Scrumがなんとかしてくれる」と思って導入ばかり頑張っている企業にはあまりにも多いよ、そんなんで生き残れないでしょ?」ということだと受け取っています。
「未来はわからないもの」ということを都合のいい盾にして、考えることを放棄したり考えない理由を正当化しちゃいけないと思いました。
一方で、「論理的に考えることを意識するあまり、一切の感覚を捨てさる」ということもしなくて良いと思っています。
例えば人付き合いは「理由はわからんけどなんか合う」というのもありますし、自分の場合はこの匂いを嗅ぎ分ける能力で得をしてきたことが結構あります。
つまり、場面によって使い分けられることが何より大切だと考えています。
なにわともあれ、この場でこういう話をしてもらえることが本当にありがたいと思いました。
今からできること
ebackyの話を聞いた自分が今日からできることはなんだろうと考えた時に、まず「自分の言葉でブロクに書く」ことだと思いました。
話を聞いている時って理解した!と思っているんだけど、いざ文字にすると全然うまくまとまらないんですよね。
inputはできるけどoutputが下手なのは感覚に頼っている証拠だと思いました。
加えて、自分は話を理解し咀嚼して消化するのに時間がかかるタイプなので、消化不良なときは「〜な感じ」とか「〜みたいな」という言葉をよく使ってしまいますが、これも同じ理由だと思います。
ebackyの話を聞いていて今後はここを少し直していきたいと思い、この記事を書くときはあいまいな表現をしないよう気をつけて書きました。
その結果、この短いブログを書くまでになんと4時間かかってます(!!)が、おかげでebackyが何を伝えたかったのか自分なりによく理解してまとめられたと思います。
*1:SM選出も同じですね。