ファシリテーションをどう学ぶかについて考える
今日はこちらに参加しました。
ファシリテーションについていろいろディスカッションしてみて、色々と想いが巡っているうちに勢いでまとめたくなりました。少々粗目のログですがご容赦ください。
本編では家庭環境の事情*1によりほぼ聞き専となってしまった上に、あまり聞くことにも集中できずつまみぐいっぽくなってしまいました。ただラッキーなことに、本編終了後に「時間ある人で残って雑談しませんか?」の時間があったのでそこからようやく全力参加できました。
参加のきっかけ
- 「SCRUM MASTER THE BOOK」でGreatScrumMasterになるために必要なコンピタンスの1つは「ファシリテーション」と掲げられているので、ファシリテーションについて学びたかった。
- 自分が普段やっているファシリテーションのやり方が合っているのか不安だった。
- 他のファシリテーターがどんなことを考えていて、どんなことを悩んでいるのか知りたかった。
- ファシリテーション能力ってどうやってあげて、どうやって計測するんだろう?
感じたこと
ファシリテーション能力は暗黙知
暗黙知はよく「自転車に乗り方」に例えられますが、ファシリテーションも自転車の乗り方に似てると思いました。
ただ、ファシリテーションは自転車の乗り方ほど単純ではないため、体で覚える以外の方法として本や資格講座からも学ぶことができます。 ですがその数はわりと少ないようで、それはファシリテーションが形式知に置き換えられない部分が多い能力だからではないかと感じました。
さらに、ファシリテーションの場合は形式知として学べる部分が自転車で言うところの「舗装された道のまっすぐな走り方」であって、砂利道やぬかるんだ道はどう走るのか、坂道でブレーキをかけるタイミングやカゴの荷物が重たい時の上手な走り方のような「臨機応変な走り方」を学ぶことは難しいと思います。知識として手法を学ぶことはできるかもしれないけど、どの道ではどう走るかはやりながら体感していくことなのだろうなぁ。
プラクティス集があったらいい
ディスカッションの中でこんな話がでてきました。
ファシリテーションのやり方って場面によって変わるような気がする。
例えばスクラムマスターとしてスクラムチームを導きたい場合のファシリテーションと、会議を進めてまとめる時のファシリテーションだとやり方や必要なスキルが違うと思う。
これは確かにそうだなと思いました。同時に、自分のファシリテーションはこれをほとんど意識してこなかったことに気づきました。使い分けるという考え方自体もっていなかったので、ファシリテーションのやり方を色々知って引き出しを増やしたいな。
イメージはアジャイルレトロスペクティブズのように、手法と適した場面と効果がまとまっているプラクティス集のようなものがあると良いかも。現場でファシリテーターをやっている人の経験を集めて作れないかなー。
ファシリテーション能力があがっているかを知る方法
自分のファシリテーションがその場に適していたかとか、自分のファシリテーション力が上がっているというのはどうやって測ったらよいだろうか。
特に会社の中でファシリテーターを担う人が1人しかいない場合、お手本にする相手がそばにいなかったり、ファシリテーションという立場からのフィードバックを受けられないので成長を感じることが難しいと感じました(というのもあって、今日はこの場に参加して他の人の話が聞きたかった)。
また、こういう場面では"導き"、またこういう場面では"引き出す"、さらには"発散させる"、"まとめる"・・・などなど、いろんなファシリテーションの方法があるので、うまくできたうまくできなかったの判断が定量化できなさそうで難しいなぁと思いました。
「自分の中で今日のファシリテーションの着地点をいくつか考えておいて、どこかに着地できたらうまくいったと考える」というお話をされていた方がいて、それはひとつ良い方法だと思うので意識してみようと思いました。
パターン化はできないことかも
プラクティス集があったらいいなとは思いつつ、同時にファシリテーションの性質を考えた時に「この場面ではこのプラクティス」というのを定義づけるのはできないことかもしれないと感じました。
それは、ファシリテーションが必要な場面、そこに集まる人たち、ディスカッションする内容、目指しているゴールによって毎回着地したい点が変わると思うので、パターンっぽくしてしまうことでかえって間違ったファシリテーションを誘発しかねないなぁと感じました。
道の状況、乗る自転車、運転する人のスキル、行先、天気、距離などによって適した自転車の乗り方が違うのと同じで。
そうなるとプラクティスという引き出しまでは用意することはできたにしろ、その先は「臨機応変に対応する」「毎回よしなに対応する」「うまいことやる」みたいになっちゃうのかな。
ここをなんとかできたら気持ちよさそうではある。でもそもそも無理な領域なのかもな、という気持ちを繰り返してます。
アジャイルファシリテーション
平鍋さんが「”アジャイル”が形容詞として”ファシリテーション”を修飾するという関係性のもと「アジャイルファシリテーション」とはなにか?を考えることができたら面白いね」というお話をされていて、これを考えるのは楽しそうだと思いました。
前述したようにファシリテーションというのは1つのやり方に留まらないと思うので、その中の1つとしてファシリテーションがアジャイルをどう支えていけるのかというのを形作れたらけっこう大きな成果だと思いました。
おまけ
SpatialChatというチャットツールを初めて使ったけど面白かった。 アイコンを近づけるとお互いの音声が大きくなったり、逆に遠ざかると声も小さくなるので距離間が感じられるのが好きでした。
場をうまく作ることはファシリテーション能力のひとつなので、ファシリテーションについて学ぶ会だけあってうまい場づくりだなぁと思いました!
おわりに
書いてみて、ファシリテーションをどう学んだら良いのかまだまだよくわからないなぁと感じています。なので、ファシリテーションの学び方についてもっと深掘りしたくなりました!
RSGT2021のOSTできになるテーマだったのですが、他のテーブルにいて参加できなかったので今日参加できて楽しかったのと、学びがたくさんありました。人生でファシリテーションについて今までで一番向き合った日かも!
ファシリテーションに限らずスクラムマスターとして必要なメタスキルとコンピタンスを身に着けるためのノウハウは増やしていきたいなぁと思いました。
ファシリテーターズ・インタビューさんありがとうございました!
*1:ネコがずっとヘッドセットのマイクをかじってくるのでした…。