いづいづブログ

アジャイルコーチになりたい札幌在住SEです。アジャイル札幌スタッフ&ScrumFestSapporo実行委員。Like:パクチー/激辛/牡蠣/猫/初期仏教

Joy,Inc ひとり読書会 #1 - 僕が喜び(Joy)にたどり着くまで -

アドベントカレンダーの12/5の記事として「ジョイ・インク 役職も部署もない全員主役のマネジメント」を1章ずつ読んで、個人的な感想を書いていこうと思います。

これまでの記事はこちら。

izumii19.hatenablog.com

1. 僕が喜び(Joy)にたどり着くまで

変化は恐怖?

「流血・暴力・殺人」

「リッチ、やめてください。僕たちにこんなことをさせないでください。個人のオフィスから引きずり出したりしないで。コンピューターを共有したりしないでください。それに、どうかお願いだからコードを共有したりしないでください。僕のコードなんだ。」

「地球上で最も幸せな職場トップ10」に選ばれたメンロー社でさえも、ボスのリッチがXP導入しますと社員に宣言しチームの開発スタイルを変えようとした時は、このような抵抗がありました(引用はチームメイトのガイルの言葉)。

文化って長い年月をかけて体に馴染んでしまっているものなので、自分が育ってきた文化(この場合は開発スタイル)を他の人が変えようとすることに人はすごーく抵抗を感じるようですね。*1

「順番を守るのが当たり前」という文化が浸透している日本では、誰かが割り込みをしたことがきっかけで殺人事件に発展するし、「戦争が起こるきっかけは文化の違い」という言葉も聞いたことがあります。

アーリーアダプターを探せ

ちなみにこの本をもう少し先に読み進めると、「ガイルを始めとするチームメイトの多くは拒否反応を示したけど、ボブ・ジェイとクレアはXPを試してみたいと言ってきた」ということが書かれています。

結果的にボブ・ジェイとクレアはXPをすごく気に入ってくれ、こうしてメンローにも少しずつXPが広がっていきます。

話はちょっと逸れますが、イノベーター理論では、イノベーター*2は全体の2.5%、アーリーアダプター*3は全体の13.5%なので、そもそも「興味ある!」「いいね」と反応してくれる人達って、合わせてもたった16%なんですよね。

そしてもう一つ、新しいもの好きで積極性のある「イノベーター&アーリーアダプター」と「それ以外*4」の間にはキャズムという「深い溝」があるとされており、このキャズムを越えた先の人達に新しいものを浸透させられるかどうかが、全体での成功のポイントだと言っています。

つまり、新しい取り組みは砂に水が染み込むようには広がっていかないということです。

導入段階ではいきなりキャズムを越えよう!と考えてなくていいと思います(というかしないほうがいいと思います)が、「それ以外」の人達のほうが圧倒的に多いというのを心にとめておくと良いと思います。

だから、もし私達がアジャイルやScrumの導入や、なにかを変えようと試みた時に、多くの人が難色を示したとしても興味を持ってくれる人が10人中2人くらいいれば、まぁまぁ普通の反応だと思います。

「2人しか賛成してくれない=ほぼだれも賛成してくれない」みたいに受け取らず、むしろ、少数であるアーリーアダプターをうまく見つける出すこと、そしてその人達がチームの着火剤となってくれるように導いていくことが大事だと思います。*5

トップ層がイノベーターかアーリーアダプターだと変化を起こしやすい

メンロー社の場合、リックとボブ・ジェイとクレアはアーリーアダプター、そしてガイルとその他のチームメイトはキャズムの向こう側にいる人々といったところでしょうか。

この章を読んでいて感じたのはトップ層の人間がイノベーターかアーリーアダプターだと、組織に変化を起こしやすいのかなと思いました。良くも悪くもというのはありますが…。

日本で有名なアーリーアダプターは堀江 貴文さんとかZOZO TOWNの前澤友作さんですね。

現場の声を聞いていると、イノベーターやアーリーアダプターが組織の下~中間くらいにいる人だとやっぱり上層部の壁を突破するのに苦労しているようです。 こういうヒエラルキーだと「変化を起こすには、まず上へいかなくちゃ」ってことになりますね。何年かかることやら。

今日はこのへんで。

*1:私、ちょっとそこまで行ってくる的なノリで「まずここにいる人達を変えることからですね!」ってセリフを吐かれるがすごくイヤなんですよね。
いやいや、文化を変えるってそんなきっかけレベルで語るほど簡単じゃないです、文化や考えって体に染み付いてますよ?
青と黄色混ぜたら緑になるのとは違うんですよ、そこわかって言ってますか?て説教したくなります。

*2:革新者。新しいものを積極的に試してみる人達。

*3:初期採用者。イノベーターほど積極的ではないもの、新しいものには比較的敏感な人達。

*4:ちゃんと呼び方が存在しますがめんどうなので割愛。"イノベーター理論"で検索するとわかります。

*5:イノベーターやアーリーアダプターのような存在がいないチームだと、このようなやり方はうまく行かなさそうなので、また別のやり方を考える必要がありそうですが。