いづいづブログ

アジャイルコーチになりたい札幌在住SEです。アジャイル札幌スタッフ&ScrumFestSapporo実行委員。Like:パクチー/激辛/牡蠣/猫/初期仏教

札幌スクラムトゥギャザーリング2018を開催しました

札幌スクラムトゥギャザーリング2018を開催し、その運営スタッフとして参加してきたのでいろいろ覚えているうちにシェアします。

f:id:izumii-19:20181128114737p:plain:w400

なぜ札幌スクラムトゥギャザーリング2018を開催したか

rsgs.connpass.com

世界ではもう8割近くがScrumで開発を行っています。

言いかえるならば、Scrumが開発スタイルのスタンダードになっているということであり、それは、私達日本のエンジニアにもScrumによる開発の経験値が必要になっているということを意味します。

アジャイルやScrumを学ぼうと思ったとき、入門書はたくさん出ているので知識の吸収には困らないとは思いますが、私は体験に勝る学習方法はないと思っています。

そこで札幌でもScrumを気軽に体験してもらい、あわよくば持ち帰って社内に展開してもらえるようなきっかけの場を作りたいという思いから「札幌スクラムトゥギャザーリング2018」を開催することになりました。

「トゥギャザーリング」ってなに

理由は割愛しますが「Scrum Gathering」という表現を今回使うことができなかったため、「Gathering」っぽさを残しつつ別な名前をつけることになりました。で、

  • 次回以降も継続したいという気持ちの「to Gathering」
  • 一緒にScrumを学び広げようという気持ちで「together」

この2つから「Sapporo Scrum toGethering(=トゥギャザーリング)2018」というイベント名になりました。

ちなみに「トゥギャザー=ルー大柴」のイメージが強すぎて、「トゥギャザー」という単語を聞くたびに勝手に頭の中に登場してくるルー大柴

そんなに好きでもない人が、強制的に意識の中に割り込んでくるの辛い…。

アジェンダ

目玉は①スクラムギャザリング東京実行委員の川口恭伸(@kawaguti)さん*1をお招きしての基調講演とワーク、②紙粘土を使ったScrum体験ワークでした。

ただ、ワークをするにもScrumの知識が全くないとすぐに手が止まってしまうので、③スライドを使った「20分でわかるScrum」と、④Scrumの全体を把握するための一枚絵を書くワークも事前に行いました。

10:00〜18:00までみっちりワークに始まりワークに終わるという、超スパルタ。ワークショップというよりもブートキャンプに近かったかもしれません。

以下、参加者としてグッときたことと、スタッフとしての自分の感想を書いていきます。

当日の様子

Twitterで#SSTGで検索するとイベントに関するつぶやきが見れます。 (Twitterの#ハッシュタグによるタイムラインウィジェット廃止されたんですね。)

途中で差し入れもたくさんいただきました、ありがとうございます!

f:id:izumii-19:20181123111744j:plain:w400

さらに淹れたてのスタバのコーヒーも飲めちゃう豪華さです。

f:id:izumii-19:20181123133143j:plain:w400

川口さんの基調講演が聞けてScrumが学べてスタバのコーヒーが飲めておやつが食べれて参加費1,000円。安すぎる!!

参加者としてグッときたところ

常に知識の塔を壊す

これは川口さんの講演で出てきたキーワード。

  • 頑張れば頑張るほどその人の中にたくさんナレッジが溜まる。だけどそれはその人がいなくなると困るということでもあり、個々の長所でもあるがチームのリスクでもある。
  • 溜まったナレッジは、増えれば増えるほど、他人に引き継ぐのが難しくなる。伝えるのが難しかったり、全部伝えきれなかったり。
  • そんな背景から、自分だけに知識が溜まる(=知識の塔)のを減らしたいと思った。
  • 一人でやるのではなく、いつでもみんなで共有すれば一人だけ知識の塔が高くなることはない。誰か一人が知っているのではなく、みんなでシェアする。誰かの知識の塔は常に崩し続けたほうがいい。
  • こうすることで引き継ぎの必要がなくなった(完全ゼロではないと思うけど、ほぼ。)

今自分がやっている仕事がまさにこんな感じで、すでに知識の塔が天空の塔みたいになってきています。自分は今のプロジェクトが長いので色んなことを知っているんけど、自分を含め少数しか把握していない仕様とか背景もけっこうあるんですよね。いわゆる暗黙知ってやつです。

逆に、自分は知らないけどあの人は知っているみないなやつも多いです。

チーム内でもこれが良くないという認識はあったので、情報をシェアするような取り組みをちょうどやり始めたところでした。 でもすでに塔がだいぶ高くなってしまった感はいなめない・・・。

Done・Learn・Fun

新しい視点のふりかえりかた。

  • Done 終わらせたこと
  • Learn 学んだこと
  • Fun 楽しかったこと

それぞれ単独ではなく、(昔TVでやっていたボキャ天の「インパク知」みたいに)要素と要素が交わるような体験をするのがポイント。

例えば「Done」はただ終わるよりも、終わらせた時に楽しかったと感じられたほうが良い(Done+Fun)。学ぶ時には楽しく学んだほうが次もやりたくなるし(Learn+Fun)、仕事をこなすことに一生懸命になりすぎて学ぶことをおざなりにしちゃうとまずい(Done+Learn)。

KPTのふりかえりもいいけれどProblemばっかり出て前向きになれないというチームもけっこうあるようなので、そういう場合はこっちのやりかたを試してみるといいかもです。

自分が今日のワークで「Done・Learn・Fun」をやった時もあんまり暗い話題はでなくて、それはこのやり方が「自分の実体験で得られたプラスの経験」をアウトプットするやり方だからだと思います。「できなかったこと」にはフォーカスしていないので暗くならないんですね。

わりと前向きな気持ちでできるので「○○ができなかった」みたいなマイナスな表現ではなく「次はこうしたい」という表現で話すことが多かった気がします。

スタッフとして感じたこと

準備が大変だった

当初は9月にやる予定だったのですが、キックオフしたのが2ヶ月前の7月でした。

実行委員はそれぞれ会社がバラバラのメンバーが集まっているので、定時後に集まって打ち合わせするしかないのですが、それだと2週間に1度くらいのペースでしか集まれなくて、必然的に1回の打ち合わせ時間が長くなってしまい、しんどい時がありました。

特に仕事がちょっと立て込んでいたり、プライベートでも引っ越しやら子供の入院やらで忙しかったりした時期は疲れすぎててイベントの準備を楽しめない自分もいました。

それでもやるからにはいいイベントを作りたい気持ちで頑張って準備してきましたが、震災でイベントが中止になったときはさすがに心が折れました。

何はともあれ2ヶ月越しに開催できてよかったです。

教えすぎない・教えなさすぎないの加減が難しい

参加者はScrumについて詳しくない人が多かったので、ワークを進めるにあたって参加者どうしではうまく進められない場面もありました。 ただ、考えることや、参加者どうしでアイディアを出し合って解決することが大事だと思うので必要以上にアドバイスをしすぎないようにしました。

ただ、あまりにも違う方向に進んでしまったり、考えすぎて時間切れが続いたりすると、成功体験が得られなくなってしまうのでそういう場合はこういう方法もありますよ、みたいなアドバイスをしまして、この辺の加減が難しかったです。

知っているとついしゃべりたくなるので、今後もスタッフとして参加するときには意識しようと思いました。

デザインに関われたのが良かった

今回は当日スタッフの他にデザイン(というほどのがっつりデザインでもないけど)側にもかかわれたのでそこは純粋に楽しかったです。

スタッフTシャツのロゴデザインは初めてでしたが、@sawasawaさんとSlackでで相談しながら進められたし、川口さんの似顔絵を書いた張り紙を目立つところに貼ってもらえてみんなに見てもらえたのもテンションがあがりました。 腕章にちょっと北海道らしさを加えたもの楽しかったです。

次回やるときのロゴデザインはもう頭の中にアイディアがあるので、そのころまでにはもう少しツールの使い方をマスターしていたいなぁ。

f:id:izumii-19:20181123094739j:plain:w400

f:id:izumii-19:20181123090810j:plain:w400

ハプニング

注文していたお弁当が時間になっても届かない。

どうやら業者さんが注文が入っていたのを見逃していたらしいです。

最初の問い合わせした時は「そのような注文は受けていない」と言われてしまったのですが、HPのフォームから注文したおかげできちんとログが残されていたのでこちらがきちんと注文したことは証明でき、なんとか12時までに届けてもらえました。

ただお弁当の内容が当初予定していた海鮮ちらし弁当ではなくただの幕の内弁当になってしまった(それしか時間的に間に合わなかった)のが残念でした。

まとめ

参加者の人達には楽しかったと言ってもらえてとても嬉しかったです。ちょこちょこ休憩はあったものの8時間という長丁場だったわけですが、以外にも「あっと言う間だった」とか、「そんなに長い感じがしなかった」という人が多かったです。

今回は、基調講演が一番最後だったのですが、川口さんがイベントの進行やその場の雰囲気に合わせて話す内容を考えてくれたようで、Scramやふりかえりの話で締めくくってもらえてすごいいい感じでクロージングできました。

川口さん、本当にどうもありがとうございました。

参加者の皆さんには今日一日を通して「Done・Learn・Fun」の全てを感じてもらうことができたのではないかなと思います。

あとこれは毎回思うことですが、準備や打ち合わせは大変で挫けそうになることはいつものことなんですが、それでもイベントが終わった後には自分自身「やってよかった」と思います。

これからもこのようなワークショップや北海道の開発現場をちょっと良くするようなイベントを開催したいと思いますので興味のある方はぜひご参加くださいませ!

f:id:izumii-19:20181124005638j:plain:w400

*1:ツイッターアカウントを埋め込む記法がわからないのでだれか教えてください。[twitter:@ユーザー名]でできなかった。